第126章 代償②
――――――――――――――――――――――
ミカサがユミルに切り込んだ。
――――見事だ。
立体機動も、斬撃も、身のこなしも。
――――まるでリヴァイ兵長を思わせるその圧倒的力は、他の兵士をも鼓舞してくれる。
「104期!!!ミカサに続け!!!俺と―――――このおっさんで、周囲の警戒と指示を出す!!」
「――――サッシュ班長……!」
アルミンが不安そうな目で俺を見た。
「――――同期だろ、あいつら。……言ってやりてぇこと、あんだろうが!!」
「――――はい!!!」
「行け!!ジャン、お前もだ!!気に食わねぇエレンを取り返してから、ぶっ飛ばしてやれ!!!」
「はいっ!!」
アルミン、ジャン、コニーが続けてライナーの首元になんとか接近できたようだ。
説得で済むなら説得できるに越したことはない。
――――俺は……俺は――――……正直、ぶっ殺してやりてぇが。
でも。
奴らにだって事情がある。
そして――――なによりこの世の真実を聞き出さなきゃならない。
生かして無力化する。
それが一番だ。
まずは104期の交渉が上手く行くことを――――願う。
「――――おっさん。」
俺の後ろを走る駐屯兵団のおっさんに声をかける。
「ハンネスだ。」
「ハンネス。すまないが、うちのガキ同士の仲間割れを――――解決しに行かせた。しばし、見守ってやってくれるか。」
「………ああ、ガキを見守ることは得意だ。」
ハンネスはふっと笑った。