第125章 代償
「――――おい待て新兵!!こいつは―――――!!」
何かを狙ってやがる。誰だ、誰を――――――。
「ユミル!!」
その時、新兵のクリスタが遅れて姿を現した。
「――――!!」
嫌な予感は当たるんだ。
ガスをふかしてなんとかそいつの機動力を削ぐべく近づくが―――――なんて動きの早さだ。
俺の刃はユミルに掠ることなく、ユミルはクリスタを一瞬で食った。
そして――――逃走した。
困惑する新兵に指示をする。
状況はどうであれ、あいつは手がかりだ。
エレンにまた接近する可能性が高い以上、追う。
「――――ちっ、追うぞ!!ぼさっとすんな!!!」
ジャンとミカサ、アルミンを連れてユミルを追う。
「――――アルミン、どう見る?」
木々の間を飛び回りながら、何かを考えているアルミンに声をかける。同期の考えることや、行動傾向なんかも俺よりはよくわかっているはずだ。
「明らかに敵対的です……!ライナー達に協力する気なのかもしれません!僕らは……おびき寄せられていた……!」
あの時もそうだった。
ジャックは機動力に長けた巨人だ。追いつけない……!
そして距離をとられたと思ったその時、俺達の追う方向の先でまたも閃光が走った。