第125章 代償
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――――内心、不安だった。
ずっと一緒にやって来た、同じ志で同じ判断ができる調査兵団の仲間ではない、駐屯兵団と憲兵団の奴らと共に壁外で――――しかも鎧の巨人と超大型巨人を相手にするかもしれねぇ戦闘なんて。
――――それに、一番は……リヴァイ兵士長がいない。
あの圧倒的な強さが側にいてくれるだけで、恐れずに戦う事ができるのに。
リヴァイ兵士長だけでなく、いつも戦況を見極めて適切な指示をくれるハンジ分隊長もいない。
それに――――ミケ分隊長は結局、戻って来なかった。
こうなってみて、いかに幹部の皆さんが俺達の心の支えになっていたのかと気付く。
俺の横を駆けながら全体指揮をするエルヴィン団長をちらりと見ると、俺の不安がる視線に気付いたのか―――――エルヴィン団長がこっちを見た。
「――――サッシュ、即席部隊で且つ難易度の高い奪還戦だ。――――頼りにしてる。」
「………!はい……っ……!」
俺の表情一つで気付いたのか。
そして小さく鼓舞をする。
同じだ、リヴァイ兵士長と。
やっぱりこの人たちは―――――すごい。
俺もこんな男に――――彼らのように、なりたい。