第123章 優等生
「全員起きろ!!!!屋上に来てくれ!!!!全員すぐにだ!!!!」
「――――っなんで、だよ……!?」
「なんでまだ動いてんだ?!日没からかなり時間が経ってるのに…?!」
「どうなって……いるの……?」
皆揃って呆然としている。
想像の範疇を越えたことが、起こり過ぎていたんだ。
そんな中コニーが大きな声を上げた。
「おい………!あれを見ろ!!でけぇ………なんだ………あいつは………。」
コニーが指した指の方向には、20m近くありそうな図体をした、全身が毛で覆われている、見たこともないような姿形の巨人が壁のほうへと歩いていく。
こちらに見向きもせずに。
――――奇行種なのか……いや、もっと別の―――――血の気が引いたまま、ちらりと新兵に目をやると、ライナーとベルトルト、ユミルの様子が――――おかしい。
なんだろう、ただ驚愕しているのではない。
未知の恐怖にただ怯えるコニーやクリスタとはまるで違う……。
「…………?」
その時、どぉん、と大きな音を立てて足元が揺れた。
「うっ……?!」
見下ろすと、10m級の巨人が塔に体当たりしている。
上にいる私たちを塔ごと崩して食おうってのか。更には小型の巨人が塔への入り口の木戸を破壊しようとしている。
―――――腹を括るしかない。
「ふざけんじゃねぇぞ!!酒も飲めねぇじゃねぇか俺は!!てめぇらのためによぉ!!」
「新兵、下がっているんだよ。ここからは―――――立体機動の出番だ。」
ゲルガーとナナバさんの言葉に、私も剣を抜いた。
『行くぞ!!!』