第122章 密約
「――――今年調査兵団に入団したと聞いた。その子の名は―――――クリスタ・レンズ。偽名だがな……。」
「―――今年入団って……104期だから……今最前線にいるんじゃ……。」
エレンといい、超大型や鎧の疑いがある輩といい、今度は壁の秘密を握る人物か。104期ってのはどうなってんだ一体……。厄介な奴ばかりじゃねぇか。
――――だがせっかく壁の秘密の鍵を握った。
そのクリスタが、最前線でもう死んでねぇといいんだが。
「行きましょう!!とにかく現場に急がないと!!!」
エレンも同じように危機感を感じたのだろう、すぐに発とうとハンジを急かした。
「待って!まだ104期全員の名前を知らないんだけど……。」
「あの一番小さい子ですよ!」
「金髪で長い髪の……えーと、あと……かわいい!」
「……ユミルといつも一緒にいる子です。」
ミカサが発したその名前は聞き覚えがある。
――――あいつが、イルゼが命を懸けて俺たちに繋いだ情報の中にその名が確かに記されていた。
「――――ユミル……?」
ユミル様、ユミルの民……確かそんな言葉を口にした巨人がいた。そんな記録内容だった。
――――そして巨人はその言葉を発したあと、敬意を表すように伏せたと。
だとしたら――――ユミルが巨人を操っている?
――――いや、そこまでの想像は少々突飛だとしても―――――とても無関係ではないはずだ。
なんらかの巨人の秘密を握っているに違いない。