第11章 交錯
「それでさ、明るく元気なナナとは正反対に、うちの兵士長がここ最近怖すぎるんだけど、理由を知ってる?」
「えっと………。もしかしたら、私がバカなことを……言ってしまって………怒らせて……呆れられて、しまったのが、何か関係しているんでしょうか………。」
「何を言ったの?」
「そうですね、要約すると……『他の女性にしたように、私とも性交して欲しい』というような内容を……。」
「はぁ?!?!リヴァイに言ったの、それ?!本当に?!」
「ハンジさん、声が!大きいです…っ!!………そんなに、驚くことですか。」
私はハンジさんの反応に、自分のしでかした事が尋常じゃなく恥ずかしいことなのだと悟った。
「はははっ!!!お……っもしろいねナナ!なぜ、そうして欲しいと思ったのさ?」
「私を……専属補佐から外すって………言われて………。どうしても、リヴァイ兵士長とのこの関係を繋ぎとめたくて、でも方法がわからなくて……。私の中の手段として、もし、使えるならって思ったんですけど……ダメでした。呆れられて、馬鹿野郎って。」
私は自嘲気味に笑った。
「……なぜ補佐から外すって言ったか、聞いた?」
「はい……。『俺はお前を傷付ける、もう抑える自信がない』って……。」
「そっか。彼も、悩んでるんだね。」
「………それが、わからなくて。リヴァイ兵士長に何をされても、その目に私を映して、『ナナ』って呼んでもらえるだけで、私はなんだってできる。傷つくことなんて……何一つないのに。」
「………………。」