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【進撃の巨人】片翼のきみと

第120章 一変




想像通り、ストヘス区の区長からの追及は厳しいものがあった。当然と言えば当然だ。街の多くが損壊し、住民も多く亡くなったのだから。



「エルヴィン。今回の作戦についていくつか疑問がある。目標の目星がついていたのなら、なぜ憲兵団に協力を依頼しなかった?」

「区長……それは女型の仲間がどこに潜んでいるかわからないからです。この最重要任務を遂行するに当たっては、潔白を証明できる者のみで行う必要がありました。」

「壁内に潜伏していた“女型の巨人”アニ・レオンハートを特定したことは評価する。しかし……それによって区が受けた被害についてはどうお考えか?」

「被害は出さぬよう挑みましたが、住民の財産や尊い命を失わせる結果になってしまいました。我々の実力が至らなかったためです。深く……陳謝します。」



エルヴィン団長は頭を下げて見せた。そしてその頭を戻したその時、その強い蒼がぎらりと、区長に向けられた。



「ただその一方で奴らを逃がし、壁が破壊されれば被害はこれだけでは済まなかった……そういう天秤を踏まえて執行に移したのも事実です。」

「人類の終焉を阻止できたという確証はあるのか?アニ・レオンハートからは何も聞き出せていないのだろう?」

「彼女は現在地下深くに収容されています。全身を強固な水晶体で覆われているため、情報を引き出すことは不可能です。」

「――――無駄骨か?」

「いえ。奴らの1人を拘束しただけでも価値があると思います。そう、奴らは必ずいるのです。」



エルヴィン団長とハンジ分隊長の鋭い視線が、壁の中の巨人の存在を隠していたニック司祭に向けられた。

――――彼は一瞬身震いをして、視線を逃がすように目を伏せた。







「一人残らず追い詰めましょう。壁の中に潜む敵を―――――全て。」







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