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【進撃の巨人】片翼のきみと

第119章 黙秘




現場の指揮をとったハンジから報告があった。

アニ・レオンハートは拘束。ただし強固な水晶体に守られ、一切を閉ざしたまま―――――尋問も出来そうにない。

そして何よりアニが巨人化して壁をよじ登ろうとした時に出来た壁の損壊場所から、一部の壁が崩落―――――その中には、巨人が埋まっていた、という驚愕の事実だ。

なんとか日光を遮断して巨人に活動エネルギーを与えないように処置はしたが、壁に巨人が埋まっているということをウォール教の面々、特にニック司祭は知っていたということだ。



――――この壁の中に敵が潜んでいるだけでなく、そもそも壁の中にひしめく秘密を保持している輩がいる。



ここ数か月で急激に歯車が回り出した。

一つ一つ音を立てて、取り繕われた外面が剥がれていく。この綻びを、この機を逃すことなく次の手を打つ。

その方法を頭の中で模索していた。



その騒動もあり、私たちの王都への招集は保留となったが――――、その日の夜には、ストヘス区内の憲兵団支部に於いてその日の出来事を総括する会議が行われることになった。


憲兵団支部でエレンやミカサ、アルミン達、そしてハンジの隊と落ち合う。





「――――エレン!!!!」





アルミンとミカサに抱えられて、意識が朦朧としているエレンの姿を見るやいなや、ナナがエレンの元に駆けだした。





「ミカサ、アルミンも……よく無事で……!エレンは、巨人化後の疲労……?!」



「うん、多分そんなところ。でも一応ナナに診てもらいたい。念のため。」





ミカサが心配そうにエレンを見つめながら言う。





「もちろん。地下室を一室借りてある。そこまで運べる?そこで診るね。」



「わかった。」






ナナは私に目くばせをして、アルミンとミカサと共にエレンを連れて施設に向かった。


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