第118章 溜飲 ※
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『――――戦わないくせに、なぜリヴァイ兵長を縛ってるんですか……?』
暗闇の中なのに、そこに鮮血の血だまりがあるのがわかる。
その血だまりから血に塗れた人影がゆらりと現れて、恨めしそうな声で言う。その人影に怯えるように暗闇の中を一歩下がると、背後にもゆらりと血に塗れた人影が現れる。
『なぜ俺が死んで、あなたが生きてるんですか?あなたに、何ができるんですか?――――戦えもしないのに。』
『………っ………。』
何も言えなくて、ただ俯く。
私の周りに次々と、血に塗れた翼を背負った人影が増えていく。
『――――なぜ私が死なないといけなかった?』
『なんで俺達が。』
『自分は守られていいよな。』
『誰もお前を必要としてない。』
『お前は仲間じゃない。俺を助けてくれなかった。』
『私を見殺した。医者ならなんで助けてくれなかった?』
『お前は人形のように愛でられるしか能のない、くだらない女。』
『団長と兵長を弄ぶ――――淫乱。』
『――――ナナ。あんたが死ねば良かったのに。』