• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第117章 戦慄②





「リヴァイ兵士長……っ……!」



リヴァイ兵士長にしては息が切れてる。

痛みがあるのか……私に何かできることは、と思い駆け寄るけれど、目も合わないままそれを制される。



「――――俺は問題ない。エレンを診ろ。」

「は、はいっ……!」



エレンを荷馬車に乗せて、私も同乗して様子を診る。

――――気を失っているだけで、目立った外傷などもなさそうだ。





「――――おかえり、エレン……。」





私は横たわるエレンの手をきゅ、っと握って祈る様に額を近づけて蹲った。

この心の内が、ついていけていない。

この僅か数時間で、一体何人の仲間が死んだのだろう。



みんなの表情が昏い。

この調査でエレンの能力の有用性を示すはずだった。そのために女型の捕獲に大きな犠牲を払って実行したのに――――、敵は、一筋縄ではいかなかった。

私が微かに震えるのは、その責任を問われるのはエルヴィン団長だということだ。悪い事ばかりが頭を過るそれを振り払うように空を見上げると、私たちが還るべきカラネス区の壁門が見えて来た。







こうして多くの命を失って―――――第57回壁外調査は幕を閉じた。






/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp