第117章 戦慄②
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あまりの凄惨な仲間の死を見届けたショックによるものか、ふらふらとおぼつかない足取りでなんとか巨大樹の森の西側で隊を再編成すべく集結している場所に辿り着いた。
その中にエルヴィン団長の姿を見つけて、安堵する。
「あっ、ナナじゃない?!ナナ!!!よく戻った……!」
「ハンジ、さん……。」
「顔が真っ青だ。あれ、リヴァイは……?」
「――――エルヴィン、団長に………報告を……!」
「わかった、待ってて、呼んでくるから!」
ハンジさんは私を予備の馬に乗せてエルヴィン団長を呼びに行ってくれた。少し離れたところから、サッシュさんやアルミン、ジャンが私を見て胸を撫で下ろしているような顔を向けてくれた。
「――――ナナ。よく戻った。」
「エルヴィン、団長………、あの後女型の巨人が再度出現、応戦したリヴァイ班が、全滅しました……。エレンが巨人化して女型と交戦を初め、リヴァイ兵士長がそこに残っています………。」
「――――やはりか。」
「エレンとリヴァイ兵士長を、もう少し――――待てますか……?」
「ああ、そのつもりだ。だがそう悠長にしてもいられないがな。」
「はい……。」
必ずエレンを連れてリヴァイ兵士長は戻ってくれると、私は信じて疑わなかった。
そして数分後――――、信じた通り、リヴァイ兵士長とミカサが、意識のないエレンを連れて戻って来た。