第116章 戦慄
予定通り巨大樹の森に侵入し、ハンジさんたちが先に捕獲兵器の準備をする場所に辿り着いた。
「ああエルヴィン。順調に来れて何よりだ。リヴァイ達は?」
「今のところ右翼索敵の損害のみで、エレンは無事だ。このあとまもなくで予定通り巨大樹の森に差し掛かるだろう。――――何事もなく、ここまでおびき寄せてくれるかどうかは――――、他部隊がどこまで敵の足止めをしてくれるか、エレンがどこまで我慢できるか、リヴァイがどこまでリヴァイ班をまとめあげられるか、にかかっているな。」
「――――きっとやれるよ。」
「そうだな。」
少ない会話を交わして、エルヴィン団長は捕獲用兵器の確認に飛び回った。
捕獲用兵器の設置中にももちろん巨人は待ってなんてくれなくて、兵器の護衛の為に巨人と闘った何人かの兵士は既に亡くなったり、怪我をしている人もいる。
私は後々の治療の目途も立てるため、あちこちで休んでいる兵士を見回しながらおおよそ負傷者の数にあたりをつけていた。
―――――その時、キイイィィィイン、と遠くで音響弾の音がした。
「――――リヴァイ兵士長!!」
「――――来たな。」
リヴァイ兵士長が率いる、エレンを含むリヴァイ班が、敵を食いつかせて森に入った。
あとはエレンを奪われないように、そのまま惹きつけつつ、追わせたままここまで誘導してくれれば………!それが口で言うほど容易くないことだと分かっていても、今の私たちには祈ることしかできない。
「リヴァイ兵士長、エレン――――……エルドさん、ペトラ、グンタ、オルオ……!どうか、無事にここまで来て―――――………。」