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【進撃の巨人】片翼のきみと

第115章 継受





「………何からそう感じた?私はただ情報を出し渋っただけだったろう?――――それに君は実にうまく話を合わせてくれた。私の父のことも、ワーナーさんの名も―――――君が外の言語を完璧に操れることも伏せて。」



エルヴィン団長の鋭い、でも悪戯な目線を受け流すように、コーヒーのカップに目線を落とした。

すっかりミルクが混ざり合って冷めたコーヒーが入ったカップを両手でとり、そのまま私の考えを述べる。





「最初はそう思いました。アルミンのことも疑っているのかな、と。でも……私はアルミンを一切疑っていない。私が信じる人をエルヴィン団長は信じてくれる。じゃあなぜ情報を伏せるのか、その理由は一つしかないです。アルミンを――――余計な厄介事に巻き込まないため。――――中央憲兵ですか?警戒しているのは。」





私がちらりと目線を向けると、エルヴィン団長は満足げに笑って彼もまた、コーヒーカップに目線を落とした。





「………やれやれ。“私が信じる人を信じてくれる”か。すごい自信だな。」



「あれ、違いますか?」



「違わないよ。ただ一つ言っておくが、君に惚れているからじゃないぞ。そこまで公私混同していないつもりだ。――――君が大変優秀で、団長であるエルヴィン・スミスのことをとても良く理解していて、怖いほど頭のキレる頼れる補佐官だからだ。」



「――――それは大変な褒め言葉です!」





エルヴィン団長の賛辞に、くふふ、と子供みたいな笑いがこぼれてしまう。

だって嬉しい。

補佐官である私を、認めてくれているということが。


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