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【進撃の巨人】片翼のきみと

第112章 狐疑




「失望したって顔だね。」

「はい?!」

「珍しい反応じゃないよ。世間の言うような完全無欠の英雄には見えないでしょ?現物のリヴァイ兵長は……思いの外小柄だし、神経質で粗暴で近寄りがたい。」

「いえ……俺が意外だと思ったのは……上の取り決めに対して従順な姿勢にです。」

「強力な実力者だから序列や型にはまらない人だと?」

「はい……誰の指図も意に介さない人だと。」



私も以前、リンファさんだったか……聞いた事がある。リヴァイ兵長は入団当初はとにかく荒れていて、手を付けられなかったと。



「私も詳しくは知らないけど……以前はそのイメージに近い人だったのかもね。リヴァイ兵長は調査兵団に入る前、王都の地下街で有名なゴロツキだったって聞いたわ。何があったか知らないけど、エルヴィン団長の元に下る形で調査兵団に連れてこられたと。」

「団長に?!」



――――そうだ思い出した、リンファさんが美しく微笑みながら話してくれた、その続きを。







“兵士長という役職についたこともだとは思うけど、兵長が一番変わったのは―――――ナナのおかげだよ。ナナが調査兵団に来てから、兵長は別人のように変わった。そして今も変わり続けてる。あたしたちが信頼してやまない兵士長でいてくれる。それがあたしは、嬉しい。”







そんなことをぼんやり思い出して、また少し心の奥がきゅ、と切なくなる。



――――敵わないのかな、どうやっても。




ナナさんの存在は、リヴァイ兵長にとってあまりにも特別なんだ。


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