• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第108章 対策





「ご心配ありがとうございます。リヴァイ兵士長、私と弟は――――大丈夫です。心配しないでください。」



「――――ならいい。」





リヴァイ兵士長はそう一言零して、私に背を向けた。

これから掃討作戦の話をエルドさんたちにするんだろう。エルヴィン団長に言われて統計を出した、討伐成績上位10名。そこで名前を見た人たちが今回、ここにいる。

これは――――リヴァイ兵士長が直接指揮する精鋭班に違いないと確信した。リヴァイ兵士長が直々に選んだ。なんて頼もしい班構成。

そこに並べない自分を小さく卑下するけれど、その嫉妬に似た気持ちも以前ほどではない。

私は―――――巨人を討伐する能力はないに等しい。

それは認める。

だから他の武器で、役に立つから。





「―――皆さんのお顔も見られて安心しました。では――――私は、これで。」



「――――ナナ。」



「はい。」





去り際にまたリヴァイ兵士長の声がかかる。





「ここから先は――――エルヴィンにとって正念場だ。」



「…………。」



「エルヴィンを頼むぞ。お前が支えろ。」



「―――――はい!」





私の心を見透かしてしまう。



私が最も欲しい言葉で、一歩踏み出す勇気をくれる。

恥じないよう、背筋をピンと伸ばして颯爽とその場を去った。


/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp