第108章 対策
翌日早朝には、調査兵団からの精鋭が到着した。
「――――ハンジさん!!!モブリットさん…!エルドさん…!ペトラ、グンタも……!」
リヴァイ兵士長が連れて来る面々に会いたくて、早朝から対策本部をうろうろしていた甲斐があった。みんな、元気そうだ。
「ナナさん、俺だけ忘れてるぜ?悪い冗談だ……。」
もちろん知ってる顔なんだけれど、なぜかとても気だるそうに、しかも似合わない口調で話し出すから一瞬誰かわからなかった。
「えっ誰?」
「え、俺……俺です!」
「わかってるけどオルオ、どうしたのそんな話し方じゃなかったのに……。」
「いや本当にナナさん、もっと言ってやってください……。」
ペトラがはぁーーーっとため息をつきながら苦言を呈す。リヴァイ兵士長の真似がエスカレートしてきてるな、可愛い気もするけど似てはないな、と思いつつ、まぁそんなことに構ってる暇はない。と目線を他にやると、ハンジさんがリヴァイ兵士長と話し終えて、私のほうを見た途端、ぱあっと安心したような笑顔を向けてくれた。
「ナナ!!!!良かった、生きてた………っ!」
ハンジさんがいつものようにぎゅうっと私を抱き締めてくれる。
「はい、なんとか!皆さんも無事で良かったです。」
「聞いたよ、そりゃもう想定外のことが起きまくったんでしょ?!この掃討作戦とナナの仕事が終わって一旦落ち着いたら、ゆっくり話したいよナナ。」
「――――私もです。ぜひハンジさんの考察が聞きたいことが、山ほどです。」
私の言葉にハンジさんとモブリットさんは嬉しそうに小さく笑った。
「うん、もちろんだ!じゃあまあ……とりあえずちゃちゃっとね、リヴァイ、区内の巨人、やっちゃってよ!」
隣にいたリヴァイ兵士長の肩をぽん、と叩く。