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【進撃の巨人】片翼のきみと

第107章 肯 ※





「………ん………。ぁ………。」



「――――ナナ…、………ナナ……っ……。」





激しいキスは唇だけでは飽き足らず、エルヴィンの唇が首筋へと降りる。器用にシャツのボタンを片手で外して胸元まで暴かれ、当然のように赤い印が散らされる。

その感触に身を震わせながらも、今日も明日も――――そしてしばらく多忙を極めるエルヴィンに少しでも眠って貰わないと、となんとか抵抗を試みた。





「エル、ヴィン………っ………、だめだよ……、もう……っ……寝、ないと……明日……。」



「――――君が生きてると、実感したい。」



「ここに、いるでしょ…?……んぁ、やっ……だめ、ひゃっ……!」



「繋がりたい。」



「だ、め……っ……睡眠は不足、すると………っ、判断力が鈍る、よ……?」



「寝不足は慣れてるから問題ない。それより心の安定のほうが大事だ。」





身を捩っても、全く逃がしてもらえない。

寝ないと、もう明け方までそんなに時間も残されていないのに。早朝から壁外調査に出て、ほぼ一睡もせずに明日また早朝から移動なんてとんでもない。こんな無茶ばかりしていたら、いつか身体を壊してしまう。





「……っあ……、でも、でも―――――……。」



「――――黙れ、ナナ。」



「………ん……っ……。」





舌が動かないようにするためか、強引にエルヴィンの指が唇を割って口内に差し込まれる。



私を見上げたその目は―――――小さく苛立った獰猛な肉食獣のそれだ。



あの日初めてエルヴィンに虐げられるように抱かれてから、また新たな一面が時折垣間見える。エルヴィンがずっと大人の余裕の下に隠していた、―――――嗜虐性だ。毒が身体に回るように、私の背筋がぞくりとして思わず身を捩る。





「俺を寝かせたいなら、この衝動を発散させてくれ。」



「ん、ふっ………ぅ、ぁ……っ……!」





いつになく性急に、乱した衣服を取り払うこともせず兵服を着たままの状態で、その大きくて熱い質量が私をこじ開けた。


そこに伴う少しの痛みに耐える。

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