第1章 出会
ワーナーさんのところへの道中は、いつもウキウキとしていた。
なのに今日は、なんだか足取りが重い。
はぁ、とため息をつきながら地下街への入り口を目指していたが、自分の目に涙が溜まっていることに気づいた。今にもこぼれそうだ。
このままワーナーさんの顔を見れば、きっとみっともなく泣いてしまう。私はふと時計塔を見上げ、空を見上げるために時計塔に上った。
私は父に必要とされていない事が、認めてもらえない事が悲しい。一人で空を見上げて、ようやく自分の気持ちを認めることができた。
堪えていた涙が、ポロッと零れ落ちた。
その時。
「エイル。」
ワーナーさんではない、低く鋭い声が時計塔の下から私を呼んだ。