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【進撃の巨人】片翼のきみと

第103章 850年




ハンジさんと久しぶりにゆっくりと話をして、モブリットさんの惚気もたくさん聞かせてもらって、温かな気持ちで団長室に向かう。



「―――おやナナ、今日は大荷物だがそれは?」

「はい、ハンジさんからお借りした、今までの巨人の実験記録です。」

「押し付けられたのか?」



エルヴィン団長はふふ、と笑って書類に目線を落とした。けれど、違う。これは私が望んで借りて来たものだ。



「いえ、次の壁外調査では捕獲も行うので、帰って来られてすぐに実験ができるように……予定や準備物を洗い出しておこうかと。」

「……驚いた。うちの補佐官はそんなところにまで手を貸しているのか。」

「―――今回私は調査に行けませんので、これくらいは。――――それに嬉しいんです。ハンジさんのお手伝いをしながら、ハンジさんと同じ物を見て考えるのが。」

「――――ハンジが溺愛するわけだ。」



エルヴィン団長は仕方ないな、という表情をしつつ、どこか嬉しそうだ。それはエルヴィン団長もハンジさんのことを大切に想っているからだと思うと、それもまたとても嬉しくなる。



「そうだナナ、手が空いた時で構わない。各兵士の巨人討伐数と討伐補佐数の上位10名を洗い出しておいてくれるか。」

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