第102章 空想
「――――知ってる。でなければ、俺に君を預けてなんていられないだろう。でもそれは――――リヴァイの確固たる、揺るがない君への想いがそうさせてる。つまり君はとんでもない女だ。」
「――――知ってる……。」
「――――絶対に嫌だが、どんな手を使っても阻止するが。」
「??」
「――――もし君が俺以外の男と生きると言うなら、リヴァイしか認めない。」
「…………。」
「――――あいつは、尊敬に値する男だ。嫉妬すら、するほど………。」
エルヴィンの弱気に伏せられた目に驚く。
自分が思い描いた通りに何事も運ぶように知略をめぐらせ、それを完璧に実行してしまう彼が。
2人が時折見せるこのお互いを認め合っていることが、また私を喜ばせる。この2人がいてくれる調査兵団なら、きっとこの世界を変えられると、強く夢見ることができるから。
「断言できるよ、私にとっての特別は―――――、2人以外にはありえない。」
「……だろうな。」
にやりと笑んだエルヴィンに、また唇を塞がれる。舌を絡め合っているだけで、体が火照ってくる。けれどこの熱にこのまま流されてはいけないと思い、唇を離して、エルヴィンに問う。
「ね……外の、世界って……どんなのだと、思う……?」
「ん………?」
エルヴィンの唇が、首筋に沿う。耳元から首筋に小さなキスを散りばめながら、その考えを囁く。その吐息が耳にかかって、くすぐったい。
「そうだな………、図鑑や言語を見た限り………相当な文明があっても、おかしくない。」
「………っ…、そう、だよね……外の、言語を……ぁ……っ……学んでみて、思ったんだけど……んっ……。」
「………実に、合理的な言語だな。」
「そう、なの……。とても、組み立て……やすくて、単純、で………ん、はっ……ぁ、ちょっ……エルヴィン……!」
「ん?」