第101章 愛情
「だからね………言い訳に聞こえるかもしれないけれど、わかって欲しい。リヴァイさんは、私がエルヴィンと生きると決めた以上、絶対に私を抱かない。しかもそれは――――、エルヴィンのことも、大事に想ってるからなの。」
「…………ああ。」
「――――昨日は、私がリヴァイさんを怒らせてしまって――――、唇を食べられたり、この辺……噛まれたりは、したけど………それでも結局は、それ以上手を出さずに、理解してくれた………。」
「――――そうか。俺の、誤解だったんだな。」
「――――でも、キスしたのは、事実だから………ごめん、なさい……。」
ナナは気まずそうに目を伏せた。
「――――俺にもキスしてくれるか?」
「………?」
「仲直りのキスを。」
「――――うん。」
ナナは微笑んで、唇を合わせた。
慈しみ、優しく愛を伝えるキスを何度も交わしながら、俺は少し抱いた、リヴァイに敵わないという劣等感を心の底に隠した。