第101章 愛情
「――――悪かった、本当に。ナナ。」
「――――一生一緒にいるなら、いつかは、とは思う……けど―――……私は、まだこれからエルヴィンと一緒に戦いたいから―――――……。」
「――――そうだな。この世界の真実を解き明かして、外の世界を旅して――――、気が済んでから、考えるとしよう。」
「――――うん。」
「だが――――……その、昨日ので、もし……。」
「あ、あのね……。」
これからのことは2人で通じあったとしても、昨日俺がしたことはもう取り返せない。
もし本当に命が宿ったら、ナナはどう思うか。
俺に何を望むのか。
それを話さなければいけないと思った。
けれど、ナナはどこか言いにくそうに――――目を伏せながら小声で言った。
「――――その過去に怖い事があって、から………、またそういうことが起こってしまった時の薬を、処方してもらってるの………。」
「そうなのか。」
ナナのその対策は彼女にとって必要なことだ。
ビクターの件も中央憲兵の件も、ナナを取り巻く危険は多すぎるから。
――――そんな中で、ナナが信じているはずの俺がそれを使わせるなんて、思ってもみなかっただろうが。
本当につくづく俺はクソ野郎だ。
「その、早く飲めばそれだけ効果があるんだけど―――――………。」
「ああ。」
「――――………。」
ナナが俯く。
「――――……どうした?」