第100章 楔 ※
「――――ナナ。」
「……な、に……?」
「――――中に出すよ。」
「――――え………?」
ナナの顔が、凍り付いたように見えた。
「もう一つ見つけた。君を縛る方法―――――………。」
「――――や、だ……冗談、でしょ……?それは、………っ……、だめ…っ……。」
「――――君の『だめ』は、煽っているようにしか、聞こえないと――――何度も言ったろう?」
「そんな……エルヴィン、うそ、やだ、………お願い……!」
「――――元々、外で出したって――――、これだけ交わってたらいつか、そうなってもおかしくないだろう?」
「そういう、ことじゃ……っ…、あっ、いやっ、あぁぁっ……!」
突く深さも速さも増していく。
ナナの口にそれを流し込んだだけであの興奮だ。
中に出してしまったら――――どうなるのだろう。
ぞくぞくする。
泣くのか?
怒るのか?
――――もし子供ができたら。
君の中で育まれる俺の子。考えるだけで愛おしい。
無条件に愛せる存在に違いない。
目一杯の愛情を注いで、育てればいい。
真実を解き明かした世界で、伸び伸びと―――――外の世界を見せてやりたい。こんな檻のような世界じゃなく、その翼でどこまでも飛び立てるような世界を。
そのためなら、きっと俺はなんだってできるだろう。
――――何より――――君を、離さなくて済む。リヴァイにも抱かせない。物理的に閉じ込めなくても、俺のものにしてしまえる。