第100章 楔 ※
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ナナの愛液か潮か、分からないくらいに混じり合って濡れたそこに、自身をあてがう。
痛くないように、ゆっくりと腰を進めると、最奥に達した瞬間、ナナが腰を反らしてビクンと跳ねた。
その反動で飛んだ涙の滴がまた、シーツに斑点をつける。
「―――――あぁ………っ………奥の、さっきの――――……とこ……当たっちゃう……っ……。」
「当ててるんだ。子宮に。こうやって。」
ごり、と最奥に押し込むと、ナナの身体がまたビクッと跳ねる。
「―――ひゃっ、……ぁ、ん……っ……。」
「こうやって奥を突かれるのが悦いのか?」
「……う、ん…………おかしく、なっちゃいそ…う……。」
潤沢な水分で、抜き差しするたびにぐちゅ、ぐちゅ、と卑猥な音を立てる。やがて泡だった愛液が、中で出したかのように白く滴って、最高に厭らしい。
ナナの奥は浅くて、最初俺のものは全て収まらなかった。が、ナナの身体が徐々に適応して――――今では俺の為にあるように、温かくぎゅうぎゅうと、締めつけてくる。
肉体がぶつかり合う音を激しくならして、最奥を深いストロークで突きあげる。
ナナが腰を反らせて、口を半開きにしたまま喘ぐ。淫靡な光景だ。
――――――ずっと企んで来たそれを――――――実現してしまおう。
ナナが後ろめたくて完全に拒否できないこの時なら、君は受け入れざるを得ない。
嫌がるだろう、泣くかもしれない。
泣いて『やめて』と懇願する姿を想像すると、かすかに背中がぞくりと、粟立つ。