第100章 楔 ※
「――――信じがたいな。君はリヴァイに言われればなんでもするだろう?」
その言葉を突き刺した時、ついにナナの目から涙が零れた。それを見なかったことにしたくて、頭を掴んでそれを喉の奥まで突き入れる。
声にならないうめき声と、苦しいんだろう、俺を拒否するように手で弱弱しく押し返しながら、涙を流して耐えている。
「~~~~ん、うぅ……っ……ぐ、っ……!」
「――――……ナナ……っ………!」
喉の奥まで突きあげて、最奥に精を吐き出す。
――――なんて鬼畜のような所業。自分でも呆れる。
「んっ、ん、ぅう……っ―――――………。」
喉奥からそれを引き抜くと、ナナはそう躾けられたように、当たり前のように俺に口の中に溜まった精液を見せた。
「――――ふ……エロいな、ナナ。それを、君はどうするんだ?」
飲めとは言わず、ナナに任せるふりをして――――有無を言わさない問い方をする自分が、汚いなと思う。
ナナは少しの間を置いて、喉を、鳴らした。
「――――いい子だ、ナナ。」
頭を撫でると、ナナは涙をまたいっぱいに目に溜めたまま―――――ほんの少しホッとしたような顔をした。
「―――して、ない………。リヴァイさん、とは……こんなこと、して、ない………。」
「――――君はしたいんだろう?愛してるリヴァイのそれが欲しいんだろう?」
「ちが、う……、そうじゃ……ない……!」
「――――いっそ君をリヴァイと共同で飼おうか。」
「――――………。」
俺の発言に、ナナが目を見開いた。
さぞかしショックだろう。
愛する男に、まるで性処理の道具のように扱おうかと言われたのだから。