第100章 楔 ※
「……ひ、ぅ…っ……ぁあ、っ…、やっ……、い、た……い………っ……。」
ナナの口から、痛いと、小さく漏れた。
「――――濡れてないからな。嫌か?俺に抱かれるのは。」
律動を止めて髪を引き上げながら、ナナに問う。
「――――嫌じゃ、ない………。」
「――――なら耐えられるだろう?俺を、愛しているなら。」
自分でも思う。
酷い男だ。
ナナは俺の本性に恐怖を覚えたかもしれない。
ふる、とその身を震わせた。
辛そうだな。
だが―――――最高にそそる。
可愛い、ナナ。
俺のナナ。
ナナの体内からずるりと自身を引き抜いて、髪を掴んだままナナの顔をそれに寄せる。びく、と怯えたように小さく顔を背けるナナに冷たく言い放つ。
「――――舐めろ。」
「…………。」
ナナはごくんと喉を鳴らして、観念したような顔で両手でそれを包んで、控えめに舌を添わせる。
「さっきまで自分の中に入っていたのを舐める気分はどうだ?」
「―――………。」
「痛くないようにしたいなら―――――、しっかり濡らしておかないとな?」
頭をつかんで、喉の奥まで突き入れる。
「―――――ん、ぐっ………ぅ……!」
「いつかは自分から悦んで舐めていたのに――――、今日は随分控えめじゃないか。リヴァイにしてやって疲れたか?あいつのも―――――飲んだのか?この可愛い唇で。無垢な顔をして。」
ナナは俺を大きな目で見上げながら、涙を滲ませて小さく顔を横に振った。
「してないのか?」
ナナが俺を喉奥まで咥えながら、目を閉じて肯定の意志を見せた。
その目から、今にも涙が零れそうだ。