第9章 欲望 ※
「………ああ、つい手が出ちゃった………ナナのせいだよ。大人しく僕のものにならないから………。ねぇ、震えてるね?僕の事が怖いんだ……ふふ。かわいい………!大人しくしてれば、もう殴らないよ……。あぁ……早く君の身体を貫いてあげたい……!どんな声で鳴くのかな……?」
時折、ビクターさんが唇を寄せる身体のあちこちに痛みを感じた。私の下着をずらし、下半身をまさぐる。私の性器に指を突き立て、満足そうに私を見下ろす。
「いたっ………い………!嫌だ………っ!やめて………っ!」
「ふふ……!良かったぁ、やっぱり処女だった。もし兵士長にヤられてたらって思うと、気が狂いそうだったよ。ほんとは君の気持ちがちゃんと僕に向くまで待ちたかったけど……誰かのおさがりなんて嫌だからさ。この、白い身体に印を刻むのは僕の役目だ……!」
痛い。
怖い。
気持ち悪い。
でも、身体が震えてもう何もできない。
ビクターさんは自らのベルトを外し始めた。その顔は、いつもの彼とは思えないほど酷く歪んでいて、その先の行為を待ちきれないとばかりに恍惚とした表情を浮かべている。
もう、抵抗する気力もなかった。早く、終われ。それを祈るばかりだった。
「おい………!何やってんだ………?」
倉庫の扉の方から、声がする。あぁ、この声も、知ってる。
私は気力を振り絞って、声の主の名を呼んだ。