• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第91章 懺悔




――――――――――――――――

エルヴィンが俯く。

見られたくない顔も、あるんだろう。

そう思ってまた、愛しいその人を強く胸に抱くと――――――そっと私の背に手をまわして、少し鼻をすすりながら子供のように私に素直に抱かれている。

その頭を優しく撫でながら、小さく歌を歌ってみる。

心が安らぐような歌を。





「―――――いつ聞いても、君の歌は美しいな。」



「そう?嬉しい。」



「―――――君のせいで、また諦められなくなりそうだ。」



「………なにを?」



「―――――君を妻にすることを。」



「そう、なの?妻になったら何か変わるの?今も寄り添って、時間を共有して、同じ物を見て―――――あまり変わらないような気がするけど。」



「合法的に俺のものになる。」



「なんだか言い方が怖いよ……。何する気なの。」



「――――そうだな、子供を作るとか。」



「えっ、壁外調査に行けなくなるのは困る。」



「はは、それが理由なのか?君らしいが。」



「私がエルヴィンのものだって―――――、まだ信じられない?」





エルヴィンの独占欲の強さがそうさせているのか、それとも私のことをまだ信じてくれていないのか、と少し不安に思う。





「いや。俺の事を愛してくれているのは以前よりも随分実感しているよ。」



「――――じゃあ――――――。」



「ただ、俺の想いも以前よりも更に強くなっているんだ。だからその差が埋まらない。」



「??」



「狂おしいほどに愛しているんだ、君を。」






真っすぐに見つめて言われるその言葉に思わず赤面してしまう。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp