第88章 自涜 ※
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――――なんなんだこの女。
新兵じゃなかったか。
新兵なんぞ、俺に話しかけるのすら躊躇う奴が殆どだが――――――、無理矢理俺を引き倒して、クソほどイラつく煽り文句を並べやがる。とんだイカれた女だ。
「――――殺してもいいですよ、抱いてくれるなら。あなたに抱き殺されるなら本望です。」
「――――ぶっ飛んでんな。」
「壁外調査の前後って、ヤりたくなるでしょう?男だったら。それとも、不能なんですか?」
「――――確かにヤりたくはなる。が、お前じゃねぇんだよ。」
「じゃあ誰?ナナさん?」
「…………!」
いちいち、いちいちイラつく言葉を並べる。
首を掴む手に思わず力を込めた。呼吸が滞る音を発しているのになお、俺を煽るのをやめねぇ。
「――――今ごろナナさんは、別の人に抱かれてるのに?」
アリシアの薄ら笑いに、頭の中が凍てつく。
――――犯してやろうか、泣いて詫びるまでぐちゃぐちゃに、それこそ―――――死ぬほどに。
「――――望み通りヤってやるよ、死ぬほどな。」
「……ふふ……、どうぞ、お好きに……。」
ベッドのシーツをアリシアの顔にかけて、口にそのシーツの一端をねじ込む。
「………ん、ぐ……っ!」
「顔を見せるな、声も出すな。――――お前の穴を使うだけだ。これはセックスじゃない。」
「―――――………!」