第88章 自涜 ※
「――――頼っても、いいですか。」
「いいよ!どんと来いだよ!」
「――――ぎゅっと、して欲しいです。ハンジさんにぎゅっとしてもらうのが、好きです……。」
俯き加減に述べた我儘を、ハンジさんはニッと笑って受け取ってくれた。
「お安い御用!!」
寝転んだまま、私をぎゅうぎゅうと抱きしめてくれる。
「ふふ、なにやってるんでしょう、私たち。」
「えぇ?ナナが言ったんじゃない。でも、私は結構楽しいし落ち着くし―――――。」
言葉の途中でハンジさんが私の頭に顔を埋めてすんすんと鼻を鳴らした。
「うん、癒される!!!ミケの言う通りだ!!」
「か、嗅がないでください……!」
そう言って笑い合ってじゃれあいながら、気が付けば2人してうとうとと、温かくて優しい夢の中へ誘われて行った。