第8章 訓練 ※
「いたた………。」
両手でカップを包み込み、その香りを楽しむ。
「……すごくいい香りですね!……少し……果物みたいな……。」
「…………。」
リヴァイ兵士長は黙ってカップを啜っていた。
私も一口、二口と飲み進めていく。あれ。なんだかとってもふわふわする。心地よくって、なんだろう。とても楽しい気持ち。
「……リヴァイさん?」
「なんだ。」
「ずーっとね、言いたかったんです。」
「なにをだ。」
「初めて会った日………塔から落ちた私を助けてくれて、ありがとう………。」
「…………。」
「……地下街での日々は、私を守ってくれて、ありがとう………。」
「…………。」
「王宮で再会した日、慣れないヒールの私の手を引いてくれて、ありがとう………。」
「…………。」
「あの日、不安で仕方なかった私を、抱きしめてくれて、勇気をくれて、ありがとう………。」
「…………。」
「調査兵団の入団を認めてくれて、………側に、いさせてくれて…………ありがとう………。」
「…………ナナ………。」
「あの頃からずっと、あなたは私の――――――――――――。」