第83章 声涙
「――――そうか。」
“私たちはきっと、人類の未来を、この世界の未来を、左右するから”
「――――そうだな。」
「――――………。」
「なら、期待に添えるよう努力しよう。壁外では君とのこの甘い想い出も記憶も全て封じて――――、調査兵団団長たる俺を、演じ切ろう。」
“ありがとう”
「――――もし俺が死に面したら、君はどうするんだ?」
“命を懸けて守る。助ける”
“あなたの代わりはどこにもいない。人類にとっても、兵団にとっても”
「――――助けられなかったら?」
“ずっと一緒にいる”
「はは………俺が一緒に死んでくれと言ったら、君は俺と共に死ぬのか?」
“『君の望むままに』”
かつて困難にくじけそうだった私の背中を力強く押してくれたその言葉を返す気持ちでしたためた。
エルヴィンはそれを見た途端、目を大きく見開いた。