第82章 深愛 ※
――――――――――――――――――
初めて感じたエルヴィンの味は、ほろ苦くて不思議な味だった。
いつも凛々しくて恰好いいエルヴィンが、私に縋るように快感を求めて息を荒げる姿はたまらなく愛おしい。
今まで介抱してくれて、私が立ち直るまで支えてくれた恩返しには到底ならないけど、気持ちよくなってくれたなら、嬉しい。
――――でも、私は自分の身体の奥が疼く感覚も持て余していた。もう、終わりなのかな……何度もしてくれる時も、あるから………まだ、私の中でも、気持ちよくなって欲しい――――私も、なりたい。
例え声が出るとしても恥ずかしくて言えそうにないその気持ちを、どうにか伝えたい。
「……………。」
私はまだ疼きが収まらないと示すために、エルヴィンの手をとって、自分の胸に当てた。
恥ずかしい。
とても恥ずかしいけど―――――、もっと、触って欲しい。
もっと繋がりたい。
体温を混ぜ合って、どちらの身体か分からなくなるくらい、一つに重なりたい。
「――――ナナ……?どうした……?」
目を見つめて、ちゃんと乞う。
“抱いて”
「―――いいのか?傷が……痛んだりしたら………。」
エルヴィンの気遣いの言葉を嬉しく受け取って、でも首を横に振る。そんな痛みなんて凌駕するほど愛してくれるのを、知っているから。
「――――本当は―――――、滅茶苦茶に抱きたいんだ。君を。」
エルヴィンが少し苦しそうに、私を引き寄せて言う。
私はそれに応えるように、キスをした。
エルヴィンは私を抱き上げると足早に私室に入って、鍵をかけた。
ベッドに私をそっと降ろすと、自らのシャツを脱ぎ捨てて、私に覆いかぶさって唇を塞ぐ。
さっき出したばかりのそれはまたビキビキと血管が浮き上がるほど大きくなっていて、また私の奥が疼く。