第82章 深愛 ※
君の熱がまだ足りない。
だらんと脱力した身体に、再び唇を這わせて、今度は優しく、ゆっくりと胸の頂きを口に含んで転がす。
その度にまた小さく身体を反らして反応する。
可愛い。
美しい。
愛しい。
好きだ。
愛してる。
それ以上なんて表せばいい。
このどうしようもなく君に焦がれて、乱される俺の心情を。
今すぐナナの体内に突き入りたくて、その熱を味わいたくて、痛いほど自身が膨張しているのがわかる。
だが、さすがにそこまですると怪我が痛むはずだ。何とか鎮まれ、と自分に言い聞かせる。
息を長く吐いていると、ナナがそれに気付いたのか、心配そうに俺の目を見て、口を“あ”と控えめに開いた。
「ん?なんだ……?」
ナナは自分の舌を指さして、何かを訴えている。
「??」
意味を測り兼ねて首を傾げると、ナナは起き上がって俺の腕を引いて椅子に座らせた。
その床にしゃがみ込んで、右手だけで器用に俺のベルトを外していく。
ようやくナナが口を開いて舌を指さした意味を理解した。だがまだ風呂にも入っていないし、そんな状態でそんなことをさせられない。
「――――待て、いいんだ……大人だからな、我慢、できるよ……。」
ナナの手を制すると、少し不機嫌に唇を尖らせて眉を寄せる。そしてその唇が動いた。
“たべたい”
「いや……嬉しいが………風呂にもまだ入れてないからな。」
“たべたい”
「待て、駄目だ………。」
“たべる”
なんておねだりをするんだと観念しつつ、ナナの好きなようにさせると、すぐにでも暴発しそうに勃ったそれを見て、若干戸惑いを見せつつも愛おしそうに顔を寄せた。
仕事をするはずのこの椅子で、仕事を補佐してくれるはずの補佐官が、跪いて厭らしく俺を舐める。
この状況とこの絵面の破壊力だけでイきそうだ。