第82章 深愛 ※
「――――ナナ、駄目か?」
息を荒げながら乞うような上目遣いの目線を送ると、ナナは顔を真っ赤にしながら困ったように、でもどこか少し嬉しそうに、首を小さく横に振った。
「―――――いいのか?」
こくり、と小さく頷いたことに安堵して、シャツの裾から手を差し込んでその細くて滑らかな腿に手を這わした。ナナはただそれだけでふる、と身体を小さく震わせる。
その時、指になにか歪な感触を感じた。―――――ああそうか、ビクターに刺された傷が、塞がってはいるものの―――――痛々しく痕になって、そこにあるのか。
俺は椅子から降りてナナの脚元に跪いた。
「………?!」
ナナは困惑しているが、腿にかかるシャツを少しまくって、その傷跡を曝け出す。
「――――綺麗な君の身体に、こんなものを残して―――――すまなかった。」
なにを謝るのか、という顔で小さく首を横に振るナナを見上げながら、その傷跡に舌を這わせた。
「――――――っ………!」
癒えるはずはないが、消し去りたい、癒したいと願って、その傷跡を舐める。ナナが息を荒げて、ガタ、と机に寄りかかった。
こうした愛欲の混じる触れ合いが久しぶりだからか、ナナの息が激しく乱れる。リヴァイの言った通り―――――このままイかせてしまえば、声も出るんじゃないか?と小さな期待もある。
傷跡から徐々に舌で愛撫する場所を上部に移していくと、ナナはビクッと反応して少しの抵抗を見せた。
「~~~~~!!」
「大丈夫、気持ちいいことしかしない。ほら、わかっているんだろう?もうとろとろに溢れてる。」
下着の横から指を差し込んで割れ目をなぞると、粘着質な愛液がとろりと指に絡む。ナナは耳まで真っ赤にして、はぁはぁと大きな呼吸を繰り返しながら、潤んだ目で俺を見下ろす。
その表情が堪らなく―――――俺を煽るんだ。