第80章 喪失
「なんでだ……っ………!!なんで、あいつが―――――!!」
「リンファさんが、いたから――――――、最期まで戦って、くれたからっ…………ナナさんは、助かったんです………!」
「――――…………。」
「―――――ナナが生きているのは、リンファの―――――強い意志だ。」
リヴァイ兵長の言葉に、リンファが前に言った言葉を思い出す。
『あたしはナナに救われたから。いつかあたしが、ナナを救う。守ってみせるんだ。そのためにあたしは、生きてる。』
リンファ、お前は全うしたのか?自分の生き様を。
親友を守ったんだな。
でも―――――お前はこれからもっと、幸せな時間を過ごして良かったんじゃないか。今まで散々辛い目に合って来たんだろ。
もっともっと幸せに―――――、いつも笑っていられるように、俺が守りたかったのに。
本当にお前は、頼ることが下手くそすぎるんだよ。
「―――――リンファ………っ…………。」
いつまでも泣くな、うるせぇとでも言うのかと思ったリヴァイ兵長は、泣き崩れる俺の横に膝をついて―――――俺の背にをそっと手を添えた。その手の温かさと優しさに、また涙が出る。
「兵長―――――……すみ、ません……っ………――――――辛い、です……っ……!」
俺の血を吐くような言葉に、兵長は小さく呟いた。
「―――――守ってやれなくて、すまなかった。」
「―――――うわぁああぁ…………っ………!」
兵長の手が力強く俺の肩を掴んで、まるでその想いを全て受け止めようとしているように寄り添った。