第79章 試練
「――――うあっ!!」
ずざざざ、と地面を転がりながら引きずられる。
すぐにアンカーは抜いて回収し、すぐに身体を起こす。
ニタリとした顔で奴が近づいてくる。その時、一瞬の晴れ間に太陽が射し、吹雪が止んだと同時に、私を呼ぶリンファの声が聞こえた。
「―――――ナナっっっ!!!!」
目をやると、100mほど先に騎乗したままのリンファが、私の後ろを見て焦った表情をしている。
そしてリンファと逆方向にも数体の巨人と交戦している仲間がぼんやりと見える。
なぜリンファが呼んだのか、途端に理解した。
一瞬視界が開けたその時、3~4mくらいの小型の巨人がもう一体、私を認識して走り寄ってきた。
「ひっ………!」
右手の刃の付いたブレードを前に構えて小型の巨人を威嚇すると、私の身体が浮いた。
背後からその大きな手で身体を掴まれていた。
「あ、うっ…………っ!」
バタバタを足を動かしてもびくともしない。
ゆっくりと持ち上げられる中、小型の巨人が獲物を攫われて悔しいのかじっと私を見つめていた。
「放し、て……っ……!」
ニタリと上がっていた口角が、今度こそ私を食おうと大きく開かれた。