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【進撃の巨人】片翼のきみと

第8章 訓練 ※




「立体機動の訓練でやりてぇことがある。………前回の壁外調査で見えたのは、立体機動の精度の低さだ。一度で長い距離を移動しようとすることで、軌道が読まれて巨人に食われた兵士が多すぎた。細かくアンカーを打ち直して読まれない軌道で動くことを強化すべきだ。………午後も引き続き、立体機動訓練に立ち会う。両分隊で強化しておくべき点だ。」

「わかった。お前の言う要強化ポイントには私も同感だ。安心して訓練のメニューを任せられるよ。頼もしいな、兵士長は。」



エルヴィンは上機嫌に笑った。



それから俺は朝の立体機動訓練の指揮をとった。班をわけ、それぞれに班長を付けて訓練の指示を出す。訓練場の隅で、ナナバから立体機動装置の説明を受けているナナの姿が目に入った。



真剣な眼差しで質問を繰り返す姿は、少し頼もしく見えた。俺は安心して、立体機動訓練中に直接指導をしながら激を飛ばした。



そんな中、訓練中のリンファの姿が目に入った。相変わらず、立体機動の腕は団の中でも屈指といったところだ。

アンカーを細かく差しなおしながらも、体制を崩すこともない。ゆえに軌道が想像しにくく、戦闘においても有利な位置取りを可能にしている。毎日体幹を鍛えぬくトレーニングを欠かしたことがないからこそできる芸当だ。



「リンファ。」

「はい、リヴァイ兵士長。」

「……お前の立体機動の腕は見事だ。毎日のトレーニング方法やアンカーの打ち方を他の兵士にも教えろ。お前の強化点は、斬撃のブレだ。午後の戦闘訓練で、上官に教えを乞え。」

「は、はいっ……!!」



リンファは明るい声で威勢よく返事をした。

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