第8章 訓練 ※
翌朝、俺が朝食を済ませて食堂を出るころ、兵士達の中に紛れてナナの姿があった。アルルと、リンファも一緒だった。
その少し後ろに、サッシュたちの姿もあったが、俺を見るなり慌てて目を逸らしやがる。
まぁ、しばらく悪さはしねえだろう。
それから俺は団長室に向かった。今日の訓練の流れを再確認するためだ。
「――――――それで、ナナの立体機動の訓練だが。今日はナナバについてもらい、基本的な仕組みや使用方法等を教えるところから、実装・実践練習に移るところまで行ければと考えている。」
「………ああ。了解だ。」
「午後の戦闘訓練の時間は団長室で医療班についてまずは基本情報を教える。」
「………それは早急に必要か?」
「………そうだな、早いに超したことはないが……他に必要な事があるのか?」
「立体機動をなるべく詰めて身体に覚え込ませた方が良い。立体機動の習得が早いほど、他の兵士達もあいつを受け入れやすくなる。」
「なるほどな。……昨日も早速なにやらあったことだしな。わかった、そうしよう。三日間は日中通しで立体機動の訓練に充てる。ナナバは戦闘訓練に参加させる必要があるからな………指導者をどうするか、だが……。前回の壁外調査で腕を負傷中の、ビクターにつかせようか。指導とフォローくらいなら可能だろう。」
エルヴィンが俺の方を見る。
「ビクターか………。」
昨日の今日で、サッシュの取り巻きのあいつか………あいつ自身がナナになにかしたわけではないが………。まぁ、今朝の食堂での様子を見る限り、サッシュがまた絡んでくる心配はないだろう。
「………あぁ。いいんじゃねぇか。」
「ではそうしよう。お前はどうする?」