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【進撃の巨人】片翼のきみと

第77章 己己




「―――――ナナ、こっちにおいで。」



俺は扉の鍵を閉めて、ナナの手を引いて今更ながらソファに座らせて自分も隣に座る。

なんだろう?という顔を向けるナナに、答える。





「――――ああいや、多分腰が抜けるだろうから。こっちの方が安心だろう?」



「え……?」



「――――リヴァイのキスよりも感じさせてやる。」





ナナの唇を喰らう。

息を継ぐ暇さえ与えない。

君は俺のものだと思い出して、その身に刻め。





「―――っ、は……ぅ…………。」





苦しそうにほんの少し俺を押し返そうとするが、より激しく攻めてソファに押し倒す。

口内を乱すと内壁も腫れていて、微かに血の味がする。





「――――傷は痛く、ないか?」



「………ちょっと、痛い………。ドキドキしすぎて、ここに心臓があるのかと思うくらい、脈動してる。」





ナナはそう言って左手の掌を俺に見せた。





「――――可哀想に。」





俺はナナのその手をとって、キスをする。





「――――でも、やめなくていい………。気持ち、いい………。」



「―――俺も、まだ足りない。」



「あ。」



「今度はなんだ?」



「今はエルヴィン団長で、執務中じゃないんですか……?」





ここまで来て、この雰囲気で今それが気になるのか。

つくづく律儀で、空気を読まなくて、突拍子もない。





「ああそうだった……が、たまにはいい。実際、君のおかげで随分公私混同してしまうことが最近の悩みだ。」



「………悪い団長ですね。」
「………悪い補佐官だな。」





同時にその言葉を発して、揃って笑う。

再び唇を合わせると、ナナが俺の首に両腕を回して強く俺を引き寄せた。

――――応えて求め返してくれるところが、たまらない。

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