• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第75章 再燃




――――――――――――――――――

何かあったら信煙弾で知らせる。

だがそれは奥の手だ。



この距離なら、ナナに異変があれば4秒で相手を殺れる。ただし立体機動を駆使して、の話だ。

エルヴィンの予想通りなら、立体機動を一度でも使えば、いくら遠くてもその音で必ず気付かれる。確実に奴が姿を現してからしか、立体機動は使えない。

予定通りリンファがナナから離れて川辺に歩いていく。ナナの姿に注視していると――――――、ナナが何かに感付いたように顔を上げてリンファの名前を叫んだ。




リンファが消えた。

想定外のことが起きてやがる。

―――――線は二通りだ。




俺に気付いていて、リンファを攫って俺を炙り出す、もしくは――――――ナナをどこかにおびき出すすもりか。

もう一つは――――――リンファに恨みを持っている。

だから先に潰しに来た。その後、今度こそゆっくりナナを味わおうって魂胆か。



「――――ちっ………。」



前者の方が厄介ではある。

変態が感情に任せてとる行動じゃねぇ。

前者ならそれは―――――エルヴィンの予想に反して、中央憲兵か、誰かに雇われたプロか………とにかく厄介な相手に違いねぇ。

だがナナを殺す事が目的じゃないはずだ。攫う目的だとしたら、そうすぐに危害は及ばない。


もしエルヴィンの予想通りだとして、リンファが消えたなら―――――ナナと違って、リンファはこの場で殺される可能性が高い。


そう判断して、相手の視界に入らないように距離を保ったまま、リンファの消えた場所近くに移動した。






俺はこの判断を、後悔することになる。




/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp