第7章 調査兵団
リヴァイ兵士長は執務室に入ると、カップボードからカップと茶葉を取り出した。私はハッとして、その場に駆け寄る。
「わ、私の仕事ですので……!やらせてください。」
「……ああ。頼む。」
お湯を沸かし、カップを温める。
チラリとリヴァイ兵士長の方を見ると、そういえば兵服ではない。黒いTシャツは、鍛え抜かれた肢体をより美しく見せている気がした。………以前もリヴァイ兵士長の肉体美に見とれていたら、厭らしい目で見るなって怒られたっけ………と思い出しながら、不謹慎にも少し口元が緩んでしまう。
紅茶を淹れ、ソファに腰かけるリヴァイ兵士長の前に置いた。自分の分をどこに置くべきか迷っていると、リヴァイ兵士長が隣に来い、と目で私の座るべき位置を示してくれた。
「失礼します………。」
私が隣に座ると、しばらく気まずい沈黙が続いた。ああどうしよう。早々に呆れられてしまったのかもしれない。やはり面倒の種はいらないと、あの時のようにまた私を置いて行ってしまうのかもしれない。
悪い想像ばかりが頭をよぎり、鼻の奥がツンと痛む。
目に涙が滲んでいるのかもしれない。
こんなことで泣きたくない。
さっきサッシュさんに髪を掴まれても、怒鳴られても全く怖くなかったのに、あなたに拒絶されるかもしれないと思うだけで、こんなに怖い。
リヴァイ兵士長が口をつけていたカップをテーブルに置き、沈黙を破った。