第7章 調査兵団
アルルさんは可愛らしい笑顔で、自分の本棚から資料を取り出し、私に差し出してくれた。
「ねぇナナは……今何歳?」
「そういえば……十八です。」
この目まぐるしい変化の中で、自分の誕生日が過ぎたことも忘れていた。
「わ!私より二つ上だね!だから私に敬語つかうのやめてよ!その代わり、私も年上のナナに敬語使わないから!」
とても可愛らしい人だと思ったが、やはり年下だった。アルルさんからの敬語をやめる提案に、少し戸惑った。家族とワーナーさん以外の人に、敬語を使わないのは生まれて初めてだ。
「ええと……はい、アルルさん。」
「ふふっ!それ敬語だよ!アルル、でいいよ!」
私は少し俯いて、顔が綻ぶのがわかった。彼女のまっすぐな好意が、嬉しかった。
その後、私はアルルに連れられお風呂に向かった。誰かと一緒にお風呂に入ったり、誰かと同じ部屋で眠る。その全てが私にとって初めての経験だった。