第67章 下準備 ※
エルヴィン団長が早速ザックレー総統の元に封書を出してくれて、詳細は次回の王都招集で伝えるものの、ひとまず開催を阻止されるような温度ではない、前向きに検討を続けて良いとの連絡が来た。
それからは、大忙しだった。
調整日にこの催しを手伝ってくれる兵士を集めようと声をかけ始めたところ、想像以上に多くのみんなが賛同して集まってくれた。
なにやらみんな―――――楽しそうだ。それが嬉しい。
「―――ナナさん、子供にも兵服のジャケット着せたいって言ってたあれ、私が古いジャケット仕立て直してみますよ!」
「食べ物出すなら、座って食べれる場所があったほうが良くない?食堂からテーブルとイス借りれるか聞いてくるね!」
「立体機動の体験会で教える兵士がもう少しいるな……俺も同期連れて来るわ!」
訓練の後や食事の時間に、みんなと準備のことで沢山話をする時間が出来た。
「ねぇナナ、屋台ってのは何店舗出すの?配置図みたいなの作ってみたんだけど、10店舗くらいの想像であってた?」
「ああリンファありがとう!店舗数はね、来週の王都招集の時に商談に行くから……それまで確定しないんだけど、7…8店舗くらいは出したいなぁ。10店舗も取って来れたら、褒めて欲しい。」
「だね、頑張って来てよナナ。」
リンファの持って来てくれた配置図を2人で覗き込みながら話す。
何もない訓練場に、人が集まって―――――活気が溢れる場所になる。それを想像するだけで、ワクワクした。