第67章 下準備 ※
「悪い子だな、ナナ?」
「やっ……あ………!」
ナナの背中からその身体を抱き留めたまま外耳を舌先でなぞりながら、ブラウスのボタンを外す。上から3つ4つだけボタンを外してそこから手を差し入れ柔らかなふくらみを掌に収めると、ナナの呼吸が早くなっていくのが分かる。
――――それでもまだペンを離さない。本当に強情だ。
耳に這わしていた舌を、耳の後ろを通って首筋へと降ろしていく、その白く傷一つない首筋に、出来心で赤い印を散らした。
以前ナナの身体にリヴァイが散らした痣を見て子供のような事を……と呆れたはずなのに、今目の前のナナに所有印を刻みたい衝動が抑えられない。
「――――なぁナナ、今は俺を癒してくれる時間だろう?」
「……ん……っ…………!」
下着の間に指を滑りこませて、触られるとも思っていなかったのであろう柔らかな胸の先を意地悪く摘みあげると、ナナはびく、と身体を捩った。
その反応が――――――何度抱いても初心に反応する君が、たまらなく可愛いんだ。
ナナの身体を返して、俺の方を向かせる。まだ強情にペンを握る右手を、肘から手首に向かって舐め上げる。
「―――――ぅ…………。」
手首から小指、薬指と一本ずつその指を開かせては、丹念に舐めて指先まで愛撫する。
「………あ、やだ。恥ずかし、い…………。」
「―――――君がペンを置かないからだ。」
人差し指を開かせてその指を口に含んだ瞬間、ペンはカラン、と床に落ちた。
ナナと目が合う。
俺を欲しいとねだる目だ。
心臓を圧搾されるようなこの感覚は、ナナにしか感じた事のない感覚だ。苦しくて、切なくて――――――驚くほどクる。昂奮が募る。
たまらず団長の仕事を遂行するはずの机に、ナナを押し倒した。