• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第67章 下準備 ※




以前のナナなら、これ以上先まで言わないと納得しなかっただろう。だが、私の言わんとしていることを理解したようだ。



「――――………。」



ナナはあからさまにしゅんとして、肩を落とした。



「――――分かってくれ。」

「………はい……。」



なんとか納得しようとしている、少し拗ねた顔だ。唇を少し尖らせていた。



「部屋に持ち帰って、読んでもいいですか?」

「構わないよ。――――だがおかしな内容のものがあったりしたら、すぐに報告しなさい。」

「――――おかしな内容……?」

「脅迫めいたものや―――――異常なまでの執着を感じるもの……とかかな。」

「はい……。ちなみに、――――他の方々に宛てたものは、どのくらいあるのですか?後で皆さんに届けておきます。」

「ああ、じゃあこれを頼む。」



数十通の手紙を渡すと、なぜかナナはとても嬉しそうに微笑んだ。



「どうした?」

「――――みんなの頑張りを、姿を――――応援してくれている人もこんなにいるんだと思うと、とても―――――嬉しくて。」



そんな些細な事で顔を綻ばせて手紙の束を胸に抱く。そんな彼女を見て、私もまた心が和んだ。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp