第6章 入団
それから夕食の時間になった。
私はリヴァイ兵士長について、食堂に向かう。兵士のみなさんが集まったその場所で、エルヴィン団長が私を紹介して下さるという。
大勢の兵士達がテーブルについて、談笑している中、エルヴィン団長が口を開いた。
「注目!!!!」
賑やかだったその場は一瞬で波紋一つない水面のように静まり返る。
「君たちに伝えるべき点が2つある。心して聞くように。まず一つ目は、組織変更と隊の再編成についてだ。」
エルヴィン団長が移動式の黒板に組織体系を掲示し、指し示す。
「まず団長の直下に、新たな職を定める。全ての兵士の長としてその力を発揮し、鼓舞し、導く立場にあたる兵士長という職を置く。この職には、毎回の壁外調査でも類稀なる討伐成績と生還率を誇るリヴァイが着任する。」
面倒臭そうに腕を組んだまま、リヴァイ兵士長は何も言わなかった。兵士達からは歓声や揶揄、様々な声が上がる。
「………静かに!続けるぞ。リヴァイ兵士長の元、隊を大きく二分する。それぞれの分隊を率いるのは、ハンジ・ゾエ分隊長とミケ・ザカリアス分隊長だ。これより以下の各隊編成や班長の任命は、分隊長と兵士長・団長で議論の元、後日発表する。組織変更と隊の再編成については、以上だ。明日以降、新各隊編成が発表されるまでの間は現状の班所属のままで訓練に参加するように。」
「………またミケ隊長の班に編成されるといいな……。」
「えぇ……あんな冷酷な人を団長の次に置いて大丈夫なの……?」
「途中入団のくせに兵士長かよ………団長の贔屓もここまで来ると笑えるな。」
「ハンジ分隊長か。あんな変人に分隊長が務まるのか?」
兵士達は騒がしくそれぞれの賛否を口にした。