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【進撃の巨人】片翼のきみと

第65章 脆弱




「………何を、謝る?」

「私がちゃんとそこにいたら―――――、救えた人がいたかもしれない……っ……。死なずに済んだ人が、いたかもしれない……!」

「…………。」

「そして――――彼らの死から今まで逃げていました………。ごめん、なさい……。」



懺悔を口にすると、エルヴィン団長はふわ、と私の頭を撫でた。



「―――――私も今まで、こうやって紙の上で殉職者を視覚情報として確認していたに過ぎない。君がそれを謝るなら、私は今までの何百人の兵士たちに―――――謝らなければならないな。」



エルヴィン団長が私の目の奥を見つめる。



「私も彼らの死から逃げないようにしよう。これからもこうやって進んでいくんだ。仲間の屍をいくつも積み上げて。」

「………はい………。」

「教えてくれてありがとう、ナナ。君がいてくれるから、人の心を失わずにいられそうだ。」



エルヴィン団長はその大きな手で私の涙を拭って、頬にすり、と掌を寄せて諭すように話してくれた。

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