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【進撃の巨人】片翼のきみと

第64章 思惑




その後、戦闘の自主練習を挟んでから、ハンジさんとの約束を果たすためにハンジさんの研究室に赴いた。

ノックをするといつものように陽気な返事が聞こえたので、扉を押し開けると―――――がん、と何かにぶつかった。

ハンジさんの研究室が、いつもに増してすごくすごく荒れている。様々な金属の板や筒、ワイヤーや火薬まで、至るところに散乱している。



「ど、どうしたんですかこれ………。」

「えっ?いや、なんかさ、ブレードだけじゃなくって飛び道具的な武器作れたらいいなって思って――――――色々取り寄せてはいじくってみてるんだけど。う~ん、いまいちなんだよねぇ。」

「……銃みたいなもの……ってことですか?」

「うーん、銃よりもなんて言うかな、こう………もっとすんごい感じの……。」



ハンジさんが身振り手振りで熱く話してくれる。



「――――でも確かに、飛び道具ならいいですよね。あと私は、ワイヤーを使わずに立体機動に近しい動きができたらいいのにって思います。」

「空を飛ぶってこと?!」

「はい、今まで目にした中で――――――死亡の原因は圧倒的に、項を削ごうと近づいて食われるか………ワイヤーを掴まれて……叩き付けられることをよく……見たので……。」

「――――……確かにそうだね……。」



ハンジさんが今までの戦いを思い返すように目線を斜め上に上げた。



「外の世界の図鑑に、大きな乗り物が空を飛んでいた記述があって………もっと技術が進歩すれば、ワイヤーなしで空を飛ぶことも可能なのかなって、思っていました。」

「―――――うん!滾るねぇ……!これから攻撃力の増強に向けて、ぜひその二つは目指したいところだ。」

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