第63章 番 ※
「……んっ、あ、はぅっ、ッあ、ひっ………!」
「――――今君の中を、満たしているのは、誰だ……?なあナナ。君は、誰のものだ……!」
鏡越しに見るエルヴィンの表情は妖艶で、快感に耐える苦悶と共に少しの自責と自分への嫌悪も含んでいる。
私と同じ表情だ。
「――――エルヴィンの、もの………。」
「そうだ。もっと鳴いてくれ、俺だけの為に―――――……。」
エルヴィンの指が私の口に割り入れられ、口内もかき混ぜられる。片脚を救い上げられて半身をエルヴィンのほうに向けさせられたかと思うと、息もできないくらいに唇を封じられる。
しばらく唇を貪り合って離すと、正面から両膝を逞しい腕で掬われて抱き上げられ、私の体は簡単に宙に浮いた。
「――――首に手を回して、掴まって。」
言われるがままに抱かれ、そして突き入れられる。その衝撃に、段々と私の声もまばらになっていく。
「――――まだ数回しか抱いてないのに――――……もう中が俺の形になってきてる。本当にいい子だよ、ナナ。――――もっと奥まで君に触れたい。誰も触れたことがないところまで。」
そう言うとエルヴィンは私の腰を掴んで、ぐぐぐ…っと、その熱を全て私の中に収めた。
「―――――あぁぁああ……っ……。」
頭の中が飛ぶ。
視界が弾けて、ちかちかと点滅したのち、どこまでも続く真っ白な無限の世界に放り出されたような感覚を味わった。
「ナナ?イったのか?中、締めすぎだ……。」
エルヴィンが何か言ってるけれど、よくわからない。
ただその身を任せていると、愛おしそうに優しく、慈しむようなキスをしてくれているのがわかった。